ベトナムの人形劇から伝わる中国の存在の大きさ
ベトナムの人形劇を観ました。
ベトナムの伝統芸能として、1000年以上の歴史があるとされている人形劇です。王の前でも披露された格式ある芸能なんだとか。
北から伝わってきた芸能らしく、言葉も昔の北の言葉のまま、今でも話されているようです。
16に及ぶ小話(伝説含め)を、
民族楽器の演奏と演者の音声、人形の動きで表現されています。
プログラムを見つつ観劇しましたが、どれもクスッと笑えるところもあり面白かったです。
中でも興味深いのが、どうやって人形が動かされているのかトリックがわからないところ。
これはベトナムで代々伝わる秘法によるもので、昔はこれを漏らすのは許されないことだったらしいのですが、観劇後にベトナム人の添乗員さんがサラッと、「人形を操っている人は腰まで水に使って、竹の長い竿をつけて奥で操作しているんですよ」と教えてくれました。今ではもうオープンになっているようですね。
人形劇で使われる何とも不気味な人形は、
イカゲームに出てくるヨンヒ人形を彷彿とさせます。白い顔に赤い口に不気味な笑い…。
泣いている子どももいましたね。
劇場は広くはなくて、100人くらい入れるかな?っていう大きさだったかな。ちなみに客席は満杯。様々な国の人たちが観に来ていました。
演劇を観て思ったのは、「中国」の文化というのは本当にアジア全域に及ぶものだったんだなということ。この人形劇も、中国であったものをベトナム風に変えて、ベトナムの文化となった。そもそも農村地帯で豊作を祈るために起こった文化なのだから、稲作文化を継承した中国の影響があってこそのもの。
改めて、文明の発展が著しかった中国の偉大さを感じましたし、ベトナムという国が中国の影響を受けてそれを自分たち流に変化させながら、北から南にかけて継承し、形作られたことが理解でしました。
ベトナムの文明の発端や国の起こりは、国が細長く伸びていて水に接しているところから、海沿いというのが大きかったと思います。海に接しているのはラッキーだった。かつ、北は中国に接する国だったのだから、文明の発展も日本より早かったはず。でも、それはある意味で中国の支配下に置かれてしまいやすいという悲劇でもある…。
ベトナムの歴史を知っていくのが楽しみです。