ベトナム戦争が昔のように感じる3つの理由
「戦争証跡博物館」で考えたことについて書きます!
「戦争証跡博物館」に行って思ったことは、15年間も続いた戦争、約40年前に起こった戦争が、もう歴史になっているということです。1975年に戦争が終わっているので、一部カラー写真もあるのですが、それは展示物として飾られ、暗黒な時代を映し出す物になっています。
それは日本で見る平和資料館などと同じような感じでした。77年前に集結した5年間に及ぶ戦争と同じ感じで、
「戦争があったという歴史を保存する場所」
というような感じです。当たり前なのですが、なんだか遠い昔にあったような感じがしました。
日本では戦争体験者が高齢になり、語り部が減っていて、伝承するときに戦争があったリアルさが感じられなくなってきたことが問題として取り上げられますが、ベトナムでは戦争体験者で存命の人はまだまだ多いはずです。
でも、ベトナムではホーチミンの功績は語り継がれるけれど、戦争については若い人は興味を示さない人が多いとのことでした。
沖縄のひめゆり資料館に行くと、語り部さんがいたりしましたが、ベトナム戦争経験者として戦争について語る方はみあたりませんでした。
ベトナムの若い人たちは、日本の若い人たちと非常に近い感覚で、戦争を歴史の1ページとして捉えているんだろうな、と博物館に行って、毎夜歌って踊る若い人たちの様子を見て、感じました。
もちろん親戚に戦争体験者がいる人も多いはずだし、戦争で大切な人を亡くした人も多いと思いますが、就職難で社会主義だから言論の自由もないベトナムでは、悲しんでいるような余裕はなさそうです。
それに、日本と違って、一つの国の中で争いが起こったということも、大きな要因なのかもと思いました。地上戦ですから互いの顔を見合い、同じ国の人同士殺し合っていたという事実は日本人は想像しにくいですが、かなりキツイことだと思います。ベトナム対アメリカの戦争ではあるものの、実際にはベトナム人対ベトナム人のような構図もあったと思います。
そんな中で、戦争が集結し、南北統一したあと、争いあったもの同士、子孫も共存していくのだから、そりゃ相手が憎くてもその気持ちを封印しなきゃいけなくなるだろうな、と思います。
それに、ベトナムの南北統一は、長らく占領され続けたベトナムにとって歴史的な快挙ですから、喜んでいた人も多いと思います。
15年の戦いと、これまでの他国に侵略されてきた歴史が転換する。そんなシチュエーションに、憎しみよりも…解放感が強かったのかもとも思います。
ということで、まとめると、
ベトナム戦争が早々と「歴史の1ページ」として組み込まれたのは、
①悲しむような経済的な余裕と政治的な自由がない
②同じ国の人同士で争っていたのだから、下手に戦争の話を日常の中で語れない
③ずーっと他国からの侵略、戦争に我慢し続けてきたことは、南北統一によって、そこを転換点として歴史となった
と考えました!
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ウクライナ戦争が起こっている今、
戦争は歴史ではなく、リアルタイムに起こっているもの。戦争について、より深く学んでいこう…