ベトナム戦争の勝因は「戦略的な知恵」
どうしてベトナム戦争で、ベトナムはアメリカに勝つことができたのか?
クチトンネルへ行き、学んできました!
クチトンネルは、ベトナムの人々により、戦争の際、爆撃から逃れるために作られたトンネルです。250キロにも渡るクチのトンネルは、戦争が始まる前の1948年から20年かけてつくられました。
↑このように、小さな穴から入り、そこから細長く伸びていき、様々な役割の小さな部屋があります。
↑穴を掘る際に使われていた鋤(すき)。結構重い。
このトンネルの存在はアメリカも気づいていたようですが、とうとう攻略できなかったといいます。
ベトナムの人々は、耕作をする民間人も銃を持ち、頭を捻りながら自分たちの土地を守った。そこが勝利という結果につながりました。
知れば知るほど、かなり戦略的です。
まずトンネルの入り口は、10メートルごとに一つずつあり、こんな感じの穴です。
↑細身の人が入れるくらい。そして入口がわからないように蓋の上に落ち葉をかぶせます。
沖縄戦の際、避難先等に使われた沖縄のガマ(自然の鍾乳洞)はアメリカ兵に見つかったら手榴弾を投げ込まれることもあったそうですが、クチトンネルはすべて人工。蓋があるし、見つかっても細長く先に伸びているから攻撃しようと思ったらアメリカ兵が中に入るしかない仕組みになっています。
体系的にアメリカ人が入ることは難しいし、もし入れたとしてもこんな恐ろしい罠が…
毒を塗った鉄槍…ひゃあ。痛そう。ちなみにこの鉄槍はアメリカ兵が使った爆弾をリサイクルしたもの。他にもさまざまな罠を仕掛けていたそうな。
↑このようにクチトンネルの入り口フェイクも作っていた!入り口かと思いきや違う!という。かなり巧妙。
アメリカ兵が犬の嗅覚を使ってトンネルを発見したことから、嗅覚を鈍らせるために、クチトンネルの入り口には、香辛料や石鹸、アメリカ兵の死体の血を撒いたということでした。弱みを攻略するのもはやいですね。
クチトンネルの中で生活できるように作られていたから、炊事場もありました。料理したときに出る火の煙は、外にいるアメリカ兵に気づかれないように遠い場所から少しずつ煙が出てくるような構造に!すごい!
↑当時の人々が食べていたタロイモ。塩と砂糖と唐辛子をつけて食べると、美味しい!
↑ベトナムの人々が履いていたサンダルは、タイヤから作られました。3年はもつそうな。SDGs。
地雷を埋めたら、見方が踏まないように小枝で印。
クチトンネルは、150メートルは公開されていますが、残りは秘密です。それは、また使う可能性も視野に入れているからでしょう。全部公開しても大丈夫!という時代が来ればいいのですが・・・。
アメリカ兵がベトナム戦争で空から撒いた枯葉剤。その影響で多くの人々が苦しみましたし、クチトンネルの中は非常に狭く、呼吸もしにくい、動きもほとんど取れない真っ暗闇。そんな劣悪な環境下で15年間、耐え抜いたベトナムの人々の知恵が、これからは戦争ではなく、ベトナムの国の人々の豊かさのために使われますように。祈るばかり。