みずにんの日記

のべです!考えたことを記録しております!

「愉しむ」ことの過酷さ

UVERworldのLIVEに行くために、福岡県に12月30.31日行ってきました。

UVERworld(ウーバーワールド)は、ロックバンドです。わたし自身は、彼らの歌は時々聴く程度で、大ファンというわけではありませんが、非常に興味深いバンドだなと思っているのと、友人が大ファンで、「一緒に行こう」と誘ってきたので、「いいよ」てな感じで、行ってきました。

UVERworldのなにが興味深いかというと、

「彼らの自らを超え続けてゆく力」です。

 

UVERworldというバンド名の意味は、自分達の世界をも超えてゆくということ。まさしくバンド名の通りのバンドだと感じます。

自らを超える力=克己心(こっきしん)

といわれますが、彼らはこれが尋常じゃない。

 

今回のLIVEも30日に夜公演、31日に昼公演、夜公演と非常にハードスケジュールを組んでLIVEをしています。ひとつの講演で披露するのはだいたい21曲ほど。しかも、セットリストがまるで(ほとんど)違う…。これまで作った曲は600曲ほど、リリースされたのは200曲以上。その中でどの曲にするか決めるわけです。ボーカルのTAKUYA∞さんは、頭の中に歌詞を叩き込み、全力で1日40曲以上歌わなければいけない状況。メンバーももちろん楽譜を見ずに演奏してするため、予習・復習を本番まで欠かさず練習しなければいけません。

体力的にも精神的にもかなりキツい状況下に自分達から進んで身を置くことで、バンドとしてより成長していこうという心意気を感じます。

メンバーは平均して40歳程度で、決して若いとはいえないバンドですが、彼らの克己心は凄まじいものを感じます。

LIVEの最中は、涙を流す人が沢山。それは、彼らの歌は「人生観」を熱く歌うので、感動する人が多いからです。全力で熱唱している、演奏している姿と、彼らから発せられるメッセージに心振るわせて、ファンたちは背中を押されるのです。

 

私は、UVERworldのLIVEを観に行き、

「愉しむ」(たのしむ)ことは、ホントーに過酷なことだなと思い知らされました。

「楽しむ」というのは、自分の心が喜ばしく、満ち足りた気持ちになることです。これは、苦悩とは正反対の位置にあります。

趣味を楽しむ、休みの日を楽しむ

のように使われます。

楽(らく)ともいいますよね。自分が楽になる、楽しいということ。

でも、「愉しむ」は、自分の好きなことを突き詰め、愉快な思いをする、ということです。これは、苦悩とは正反対とはいえません。とことん自分の好きなことを追求するというのは、並大抵のことではない…!慢心することは許されず、より高みへ、より良いものを追求し続けるために、自分の欲望、怠慢と向き合い、克己心を持ち続けなければならないということなのです。

決して「楽」ではないのです。むしろ、苦悩を抱えつつ、それを楽しめるくらいの克己心の持ち主にしか味わえない感情が「愉しむ」。

 

UVERworldは、まさに自分達に怠慢を許すまじ!と、LIVEはハードスケジュールで設定し、セットリストもかなり組替え、自分達が【変わり続ける】環境下に身を置くことで、愉しんでいます。

それと並行して、売れる前と同じ謙虚な姿勢を忘れないようにしようと【変わらない】部分を同時に持ち続けようとしているのです。

 

これが非常に難しいこと。

自分にとってキツい部分では変わり続けなければならず、

自分にとって楽になる方向へは変わってはいけない。

 

「好きなこと」で生きていくというのは、かなり過酷なことなのです。

UVERworldのボーカルTAKUYA∞を知れば知るほどそう感じます。彼は、アルコール、カフェイン、糖質を制限していて、かなりストイックな生活を送っています。10キロのランニング、1時間ほどの筋トレは毎日1日も欠かしません。サウナ、氷風呂、黒豆茶…好きなことのために、身体のメンテナンスを怠らない。そこまでして、完璧な状態を仕上げ続ける過酷な試練を自らに課している。

 

成功したら、金に目がくらんだり、おごったり、楽な方向へ向かうのが人の常。そうならないように自分の変わる部分と変わらない部分をコントロールし続けることがどれほど過酷なことなのか、考えるとゾクッとします。

 

「愉しむ」は、私には決して真似できない。

その道を極める、愉しむということは、羨ましがるような楽な生活ではないということ。それを年末、再認識しました。